「文学における欠かざる要素」  

                                         佐 藤 悟 郎

 

  私が思う文学の要素は、人物である。文学の中で、人物がないものはない。人が織りなす中で、何があるのかを考えなければならない。

  人物を置き、その人物の主題を並列的に並べ、周りにも人物を置いて語ることが必要である。

 自然も思想も、全て人物が中心となる。人物の、何処を捉えるのかも、重要な要素となる。人物の前に、全てが生まれる。

 

 人物を置き、生命を吹き込むこと。何を吹き込むのかは、自由である。人物を人間として如何に生かすのか、それが文学の生命となる。全てが形式的なものと限らない。

 

 人を置き、その人にどのような生命を与えるのか、その時々に私が何を考えるのか、重要なことである。

 

 創作のために、私は技術的なことも考えなければならない。