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    「文章表現の種類」

 

                          佐 藤 悟 郎

 

 

 小説を読んでいて、時々抵抗を感ずることがある。思考的な未熟さというものではなく、優れた小説にも抵抗を感ずることがある。平面的記述が焦れったい程長かったり、余りにも短く意味が分からないものがあるからだ。

 読み疲れるような小説に、何か軽蔑にも似た批判的な感情が起きる。流れるような物語の展開が要求されるのが普通ではないかと思う。

 

 では小説を構成する文章表現とは如何なるものか、どのような方法をとるのがよいか考察しなければならない。

 

 一般的に気を付けなければならない文章表現は

一 平叙文(単なる説明的叙述)

二 会話文(人の発する言葉の叙述)

三 混淆文(叙景文、心理描写、その融合体)

の三種類に分類する。これらの区分けに注意を払い文章を書かなければならない。文章を作成する場合、これらの要素に合致するか絶えず考えながら書くべきである。余計なことを書くなと言うことでなく、必要なことを書き落としてはいけないと言うことである。修飾を取り除いたら、どのような文章になるのか考えるべきである。裸の文章に、表現に相応しい飾り付けを行うことが大切である。

 

 文章表現の構成をどうするのか。別に法則を作る必要はない。挿入したいところに、それなりに挿入すること。全体から見て不足がないように、文章が大きくなり過ぎないように注意する必要がある。