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  「当面の文学活動」

 

                       佐 藤 悟 郎

 

 

 私は、執筆活動を、人生の目的としていることを否定はしない。ところが、私は、執筆の師を持っていないし、文学が如何なるものかも知っていない。詩と小説を書き上げようと思っているだけである。どの様にしたらよいのだろうか。

 

 私は、私を鍛え、私を師とし、私を弟子として進んで行かなければならないと思う。そのための方法は、他人の書物を読むことは勿論であるが、自分の書いた物を良く読み、そこに反省と検討を加え、自分自身を大きくしていく、という方法をとらなければならないと思う。

 

 それぞれに、私の書いた作品群がある。小説にしろ、詩にしろ、文学論にしろ、それらを読み返し、補筆をし、作品を高め、思惟を高めていくことが大切である。

 

 最も基礎的なことは、書くものが全て草稿的立場にあることを理解し、それを補筆し、作品として高めていくことである。作品、自分の書いたものであるが、取捨選択するのではなく、それを補筆し、作品として高めていく努力をすることである。

 

 今までの全ての作品を含め、草稿として捉え、作品に一連番号を付して、これを読み、補筆をしていくようにすることである。補筆の中には、書き改める作業も当然に含まれる。当分の間の活動は、読んでいくこと、小説を書き改めて整理をすることに重点を置いていくことにする。この作業は、できることなら早々に終わらせていきたいものと思う。

 

 読むことについては、絶えず作品の完成という観点に立ち、作品をより良いものとするように、手を入れることを忘れてはならない。書き改めることについても、やはり向上的な考えの中で、作業をすることが大切である。