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「寿男兄貴の死」

 

            佐 藤 悟 郎

 

 

 今日、平成十四年六月七日の午前三時過ぎに、私の一番上の兄、寿男が新潟中央病院で肺癌のため死亡した。現在、亡骸は新潟市本町にある公益社に置かれている。兄嫁のトシ子さんと兄の長男寿秋は疲れが出たのであろう学校町の自宅に帰り、私の妻が側に残っている。私も仕事の目鼻がついたら一旦家に帰り、身綺麗にしてから公益社に行かなければならない。兄を一人にしておく訳にはいかない。色々常識的なことに疑いはあるが、兄弟としての援助をしなければならないと思っている。

 

今後の兄の家族の身の振り方も心配であるが、差し当たり葬儀を滞りなく行う支援をしなければならない。

 葬儀日程は

・ 九日午後六時からお通夜

・ 十日午前十時から告別式

となっており、お寺様は西堀の真言寺で真城院住職により行われる。

 

公益社では、泊まることができるということである。他の兄達がどのような対応をするか、トシ子さんがどのように立ち回るのか様子を見ながら対応をしていかなければならない。

 

 兄の葬儀は、ひっそりとしたものとなるだろう。煩わしさを避けるためには、それでよいと思っている。学校の先生時代の人、退職後親しくなった人達だろう。私の知らない人達がやってくるだろう。だだ、粛々と世の中の習慣に従って葬儀を行うことになるだろう。

 

それにしても、兄の二人の子供は頼りなく思える。トシ子姉さんの良き相談相手となれるのか、甚だ疑問であり心配でもある。

 

 五人兄弟の一角が崩れた。残る四人兄弟は、いずれ死と直面する人生を歩かなければならない。避けることのできない宿命である。その観念を抱き、新たな人生を模索すべきと思っている。