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「文学雑感…娯楽性」

 

           佐 藤 悟 郎

 

 

 文学とは何であろうか。そんなことを考える必要はない。文学性の評価は、読む人の中にある。書く側が推し測るべきものではない。ただ、読む側の意思を全く無視して作品を書き続けることは、問題がある。誰も読むことがない作品は、消え去る運命にある。自己満足で終わることだろう。それでも良いというのは、文学者としての態度として正しいものとは言えないだろう。

 確かに文学という定義はあるだろう。その定義に従って、文学作品を完成させ、発表したとしても、読む人が誰もいないとなれば意味がないということになる。そもそも、文学性というものの定義は変動する不安定なものであり、作品が読まれることによって文学性の評価が為されるものである。このように考えると、とにかく作品を生み出す努力が必要である。

 どのような作品を創作するのかということになれば、読者の意思を測りながら、その意思に沿った作品を創作していくのが妥当だろうと思う。娯楽性のない作品は消えていく運命にある。