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   「職業人として」

 

佐 藤 悟 郎

 

 

 職業人としてあるべき姿を改めて考える必要がある。何故、そのようなことを考えなければならないのか、付言する必要がある。

 

 今までの在り方が誤っているからという訳ではない。最近の仕事に対する意気込みが低調であることによるものである。退職までの期間が短いこと、昇任という目的が曖昧となってきたこと、係長任せにするという気持ちが強くなってきたことなどが意欲の低下を招いている。

 

 流れるようにしか流れない。そのような諦観的な気分が私の精神の底流となっている。そのような状態から脱却しなければならない。意欲を高めるためにはどのようにするか、与えられた立場でよく考えなければならない。過去を踏襲する考え方でなく、短いが、将来的なことを視野に入れた考えを確立することである。

 

 仕事には大きく言って二つのことがある。一つは人の管理、もう一つは仕事の管理である。人の管理は人間性を持って対処すべき問題である。仕事の管理は仕事の目的、法令や規則に照らし、その目的を完遂することにある。この二つについては、性格上相容れない点があり、衝突する場面があるのは仕方のないことである。具体的状況を摘示し、考えて対処すべきと思う。考えなしで、無為のまま過してはならないのである。

 

 総体的なことは、そんなに必要ではない。具体的な状況に対処すべきである。その具体的状況とは、直面してからでは対応が困難となる。だから、予め予想のできる場面を想定し、その対処方法を考え、実行していくことが必要である。